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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

またまた東北へ

またまた東北へ

旅行期間:平成15年11月
訪問標的:秋田内陸縦貫鉄道、三陸鉄道、わたらせ渓谷鉄道、上毛電鉄

【プロローグ】

11月に所用で盛岡へ行くことになり、せっかくなので近隣のローカル私鉄をまわろうかと計画を練りました。最初は途上にある、くりはら田園鉄道に寄ることくらいしか考えていなかったのですが、考えているうちにだんだんと欲張りになってきて、三陸鉄道や上毛電鉄の月3日しか開いていない駅に行きたいなどとかなりハードというか無理無理な計画になりました。
考えてみれば、昨年11月、今年5月そして今回と半年ごとに盛岡を通っていることになり、近辺の京都や大阪に久しく行っていないことから鑑みて、なにか深い縁を感じてしまいます。

【1日目】

この日は仕事を休めなかったので、終業後に津駅から名古屋経由で東京へ向かいます。ここのところ睡眠時間が少なかったので近鉄特急の中では爆睡。白子に停車したのは覚えているのですが、桑名を通り過ぎたのをまったく知りませんでした。名古屋からは新幹線に乗り東京へ。今晩の宿となる夜行バスが池袋発なので品川駅に初下車して池袋へ向かいたかったのですが、惜しくも私が利用した列車は品川通過。東京から山手線で池袋、と順調に進み心配していた列車の遅れもなく、西口バス停から能代ゆき秋北バスの客となります。
私は今まで夜行バスを利用する機会が少なく、地元エリア発の品川ゆきやTDLゆきくらいしか使ったことがなかったのですが、今回の旅程では2回夜行バスを利用します。疲れたせいかこの日はけっこうぐっすり寝ました。

【2日目】

大館のあたりでお目覚め。バスは定時に走っているようすで、沿道の選挙ポスターの候補者名や車のナンバーに「秋田まで来た」と感じながら、7時半頃鷹巣に到着。三重よりは寒く感じられ、厚めのジャケットを羽織ってきて良かったと思いながら鷹巣駅を目指して歩き出したのですが、どうやら違う方向へ歩いているようです。駅前の商店街には屋根があったような気がするんだが、などと思いながらウロウロしていると反対の方向へ歩いていたようで、商店の集まったエリアを通っていくと駅でした。
ここから秋田内陸縦貫鉄道で角館へ抜けます。早速、鷹巣駅でも硬券を購入しようと思ったのですが、通学客や発車間際の支度が忙しそうで、以前に訪問したからよいかとパスすることにします。8時を過ぎているので学生はもういないかと思っていたのですが、どうやら始業時間に間に合う列車のようでした。
以前乗った際には日本海号で鷹巣に到着後、阿仁前田で温泉につかり鷹巣へ戻るというルートだったのですが、沿線風景を見て「ぜひ全線乗りとおしたい」と願っていたので念願かなうこととなりました。今回は盛岡に到着する時間の関係で、沿線の温泉を訪問できないのが残念ですが・・・。
乗車した阿仁合ゆきは急行用列車が使用されており、なかなか快適です。車掌さんもみえたので、補充券を一枚つくってもらいました。学生や一般利用客などでけっこうな乗車率ですが、学生さんたちは合川で降りてしまい次第に車内がのんびりしてきます。事前に計画を練っていた際には、どの駅で降りて硬券を購入するか非常に迷ったのですが、沿線で大きそうな駅に行けばなんとかなるだろうということで阿仁合下車と決めたのですが、合川、米内沢ともけっこう迷いました。
田園風景をカーブを切りながら阿仁合到着。この列車は阿仁合止まりなので、後続の急行に乗り換えるまでの間、硬券購入へと窓口へ向かいます。他のサイトさんで得ていた情報で、往復券があるとのことでそれを主目的においていたのと青色券を楽しみにしていたのですが、阿仁合には緑色の券しかないとのことでした。合川で降りておけばよかったのか・・・。合川は平日しか開いていないそうで、けっこう悔やまれます。次回の訪問って、いつになるのだろう・・・。
阿仁合では入場券、急行券、往復券などを購入し、30分ほどの滞在で後続の急行もりよし号の人となります。この列車、女性の車掌が乗務されていたのですが、車内巡回から車内販売をこなしたり、こまめに動かれていました。接客態度もひじょうに親切で、「角館営業所を○時○○分発のバスに乗って田沢湖畔まで行くのだけど、乗り継ぎ間に合うかなぁ?バスって角館駅前経由していくの?」との乗客の質問にも、「確認してきますね」との一言の後どこかで確認してきたらしく「駅前は通らないみたいです。数分しかないので、駅前から営業所までタクシーで行けばなんとか間に合うかもしれません」と回答。通常でしたら、「他社のことなんでちょっとわかりません」くらいの回答しか得られないものですが、というかそういう回答が普通だと思うのですが、この日はサービス業の真髄を見せていただいた気がしました。切符収集の面では課題を残してしまいましたが、角館まで気持ちよく乗り通させてもらいました。
話題がそれ気味ですが、沿線は山深い区間あり、のどかな風景ありで全線乗り通してよかったと思わせるに充分でした。

角館からは秋田新幹線で盛岡へ向かうのですが、1時間ほど時間があります。 せっかくなので観光していこうということで、駅前の案内所でマップをもらい武家屋敷を目指しててくてく歩いていきます。1時間程度しかなくそれほどうろうろしている時間もないので、駅近くの町並みが残っている区域を散策してみます。と、期待していなかったのでなお印象が強くなったのですが、紅葉が本当に美しい。木の名前がわからないのが情けないのですが、燃えるような黄色の葉や赤い葉に目を奪われます。ふらふらするつもりだけしていたのですが、途中下車してよかった・・・。
その後、駅へ戻ろうかと思ったのですがけっこう時間があります。マップを見ると今いるところまで少し距離がありそうに見えますが、案外早く着きました。武家屋敷ゾーンまで車で5分とか書いてありましたが、観光マップの常で長いめに書いてあるだけのような気がしてきます。「よし、行ってみよう」ということでまたてくてくと歩き始めます。平日の午前中ということで観光客の姿もまばらで、清々しい朝という感じです。
所々に建っている道標に従って歩くと町役場が現れ、その先が武家屋敷ゾーンでした。ここまで来ると観光客もけっこういました。やはり著名な観光地なんだなと感心したりもしていたのですが、時間がなくなってきていました。どこかの屋敷に入りたかったのですがそれもかなわず、通り沿いの紅葉を眺めて再来を期します。来る途中の車窓から判断するに山々の紅葉は終わっているが、平地では見頃だったようで本当にラッキーでした。街中を散策するだけで終わりましたが、きれいな紅葉は「来てよかった」と思わしてくれるに充分でした。
角館駅へ戻り、秋田内陸の硬券を買います。往復券とかは無いようで、入場券と最安乗車券の購入にとどめます。
ここからは秋田新幹線で盛岡へ向かいます。入線してきた「こまち」号は平日ですが、けっこうな乗車率で新幹線効果を感じます。この路線、車両ともに初めてでけっこう楽しみにしてきたのですが、沿線の山深さに驚きました。人家なき谷をうねうねと進んでいくさまが、「新幹線」の名から隔絶したように思われ印象に残りました。
12時半過ぎに盛岡到着。明日は山田線で三陸へ向かいます。

【3日目】

秋田は美人が多いというイメージがあったのですが、後で知ったところによると岩手も有名なんだそうですね。そういえば盛岡市内のコンビニの店員さんや道ですれ違う若い女性も美しい方が多いように見受けられました。
盛岡では冷麺を食したかったのですが、一人で飲食店に入る勇気がない小心者の私にかなうわけもなく、「立ち食いそばでガマンすっか」とあきらめていました。が、せっかくここまで来たのにということで、駅地下の食堂にてじゃじゃ麺を昼食とします。名物を味わい、なんだか任務を果たしかのようなホッとした気持ちで駅ホームへ向かいます。
三陸へ向かうのは三陸鉄道の硬券を得たいがためなのですが、交通手段に迷いました。山田線には前から乗ってみたかったものの、いかんせん本数が少なく盛から夜行バスに乗る時間を考えると、後の行程が限定されてきます。三陸鉄道の駅で訪問できるのが、釜石と盛くらいになってしまいしまいます。競合する106急行バスですと1時間に1本の便があるので、もう1駅もしくは2駅三陸鉄道の駅を多く訪問できます。非常に迷ったのですが、硬券は様式別に1枚あれば良いではないかということで、山田線を選択することにしました。
盛岡を13時半過ぎに出る宮古ゆき快速「リアス」に乗るのですが、駅ホームへ出るとEAST-Iとかいう検測車がとまっておりあわててカメラを取り出します。6ヶ月ぶりの盛岡駅は在来線特急の姿が消えて久しく、ホームで売店を探すにも苦労するほどで、長距離客が新幹線にシフトしたであろうことを肌で感じます。 入線してきたリアス号は国鉄色に戻されたキハで旅の雰囲気を盛り上げてくれます。盛岡から先の数駅の区間は盛岡市街が広がっている感じでしたが、20分もするとのどかな風景に変わっています。快速なのであまり駅にとまらないのが残念ですが、それでも山地を抜けていく風景は険しく、他サイトさんで人気がある路線であることもうなづけます。昔ながらのボックスシートというのもうれしく、のんびり汽車旅を楽しみます。途中、茂市では発車を待つ岩泉ゆき列車が左手に見えます。当初は、乗り継ぎ可能な岩泉線に乗ろうかとも思ったのですが、それをしていると三陸鉄道の南リアス線の駅を訪問することが厳しくあきらめました。JR連絡券を主目的においているので、路線が長い北リアス線よりもできれば運賃が安くあがりそうな釜石や盛あたりで当該券を探したいと目論んでいたためです。
2時間ほど揺られた後、宮古着。三陸鉄道の出札口が見え、のどから手が出る想いですが乗換え時間が絶妙すぎて、寄り道する時間がありません。残念。ここからはJRで釜石へ。乗った列車は三陸鉄道直通列車で盛まで向かうようです。5両もつないでおり、席は楽勝で見つかるかと思ったのですが、学生も多く乗っておりそこそこの乗車率です。以前に宮古~釜石間には乗ったことがあり、そのときは八戸から久慈へ入り、宮古を経て釜石から遠野経由で新花巻から新幹線、という経路でした。ただ15年ほど前のことなので宮古駅の風情にもあまり覚えがありません。途中であたりが暗くなり、釜石駅には17時17分着。ここでようやく三陸鉄道の硬券を手にします。盛までのD型往復券、入場券そして気仙沼までの連絡券を購入。JR連絡は気仙沼までしかないとのことでした。運賃変更印があるのが残念ですが、盛で同種の券がないとまずいので購入します。
釜石からは宮古から乗ってきた列車が30分近く停車した後、盛へ向かいます。以前に釜石で街づくりに取り組んでおられる方のお話を聞く機会があり、まちを巡ってみたいと思っていたのですが、この時間そして降り始めた雨の中ではどうしょうもありません。今晩、盛から夜行バスで東京へ向かう旅程を組んでいるためこのように乗り継ぎの連続になっているのですが、もうちょっと盛岡、三陸エリアで時間をとる日程にしたほうが良かったのかもしれません。
釜石からは初めての南リアス線ですが、あたりは真っ暗です。最初はこの列車を三陸駅で降りて切符収集にいそしもうかと思ったのですが、他サイトさんで三陸駅のJR連絡硬券が少ないと情報が載っていたので、盛まで行くことにします。
盛では窓口が閉まる10分くらい前だったのでもう駅員が券箱を閉めていましたが、酔狂な客のために再びオープン。いつも思うのですが、私は切符収集の際に同好の士と遭遇することが少ないです。で、一人でぽそぽそと切符を頼みます。ここではJR連絡券も数種類あるみたいで、運賃変更印のないものもあり満足です。
これで三陸鉄道での収集も終わり、夜行バスに乗るのみですが、時間がありあまっています。とりあえずJRで盛から大船渡まで乗車してみますが、1駅だけですので、あっという間に到着。駅前もさほどにぎやかでなく、することもないので盛駅方面を向いて歩いていきます。行き止まりの道に入ったりして、かなりうろうろして気が付けば盛駅前。バス停の場所を確認することにして、権現橋とかいうバス停のあたりかなと思い駅前を右におれて歩いていくと美容院の前のバス停に「池袋ゆきバス乗り場」の文字が・・・。これで乗り遅れることはありません。その後、20時半まで盛駅の待合室で時間をつぶし、「終電が出たので」ということで追い出され、バス停のベンチでバス待ち。かなりひまをもてあましましたが、21時20分頃に池袋ゆきの夜行バスに乗車。事前にバス停の場所がわかならかったのが心配だったのですが、無事乗車できたのでもう大丈夫。これで明日の朝は東京です。

【4日目】

朝6時前に池袋に到着。遅れもなく、また車中ではゆっくりと休め、さあ出発です。池袋からは埼京線で赤羽、そこから高崎線と乗り継いで高崎を目指します。今日は昼から親戚と小山で会うので、それまでに高崎駅精算窓口で上信電鉄の券、大間々でわたらせ渓谷鉄道の券、そして上毛電鉄と収集を重ねていくつもりです。
高崎駅では精算窓口がなかなか開かずやきもきしましたが、私の姿を認めてくれたようで、硬券入場券・乗車券と軟券乗車券を購入。3月に秩父鉄道に行った際にも思ってのですが、軟券も乗車券もなかなか趣深いものです。
切符の入手に気をよくし、ホームのそば屋で朝食。さあ、桐生へ向かうぞとコンコースに上がるも、乗車を予定していた小山ゆき電車が発車案内に掲載されていません。「あれれ・・・?」と思い時刻表を見ると、なんと時間を勘違いしていて予定の列車は10分程前に発車した後でした。
結局、桐生には予定より1時間近く遅れて到着。駅に着くと、わたらせ渓谷鐵道の係員らしき方がホームに立っています。どうやら紅葉シーズンの多客期のようで、車内補充券で切符を乗換え客に発行しているようです。これはラッキーということで、使う分以外にもう一枚買い求め、収集用としました。わたらせ渓谷鐵道はJR足尾線として廃止になる1年前に乗って以来、実に10数年ぶりなので、ゆっくり乗っていたかったのですが、後の行程がつかえてくるので大間々で下車。ここで硬券入場券と乗車券(金額式)を購入。ここからは徒歩で上毛電鉄の赤城駅へ向かいます。今回は、月3日しかない新里駅ほかの営業日にあたっており、こちらが今日のメインです。赤城駅もJR足尾線のときに訪問しているのですが、きれいな駅舎になっておりびっくり。1日フリー乗車券を購入し新里駅へ。電車は非常に空いており、この体験だけで判断するのは安易ではありますが、経営の厳しさを感じました。
新里駅では女性の駅員さんに対応していただき、硬券入場券や乗車券(大小兼用、小児専用、往復)を入手。特に往復乗車券は所持していなかったため非常にうれしい品となりました。窓口に「特急券販売中」といったような表示があったので確認したところ、「ここでは売っていません」ということでした。
もう1駅2駅行きたいところですが、もう時間がありません。西桐生へ向かい、硬券特急券を購入。乗車券とセットで購入が必須条件なので高い買い物となりましたが、前から気になっていた券なので満足しました。西桐生の駅舎は建て変わったのかと思いましたが、昔ながらの駅舎でほっとしたような昔を思い出すような。
この後は小山で親戚と会い、新幹線乗り継ぎで帰宅しました。

今回は、非常に移動距離が長く、鷹巣、三陸、関東とポイントもあっちこっち点在していたため満足度も感じたものの、じっくり一箇所を巡るという点では欠けていて、自分的には課題のように思われました。切符を追いかけてあちらこちら向かうのも良いのですが、そろそろ行程の組み方が考えどきを迎えているのかなと・・・。特に今回は、角館で思わぬ紅葉の眼福というような楽しみもあったので、一層そんな思いがしました。
<おわり>



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